1959 年 33 巻 6 号 p. 448-452
40% HClO4溶液を展開剤とする澱粉のペーパークロマトグラフィーを沃素蒸気中で行って,アミロペクチン区分を流出させてアミロース区分をストリップ上に残し,これを流下捕集し純度及び回収率を検討した結果,この流下捕集したアミロース区分は純度よく,且つ回収も定量的であることを認めた.よってこの方法にもとづく澱粉のアミロース定量法を設定した.次いでこの方法によってn-ブタノールを分別剤として澱粉から分別したアミロペクチン中に混在するアミロースと推定される区分の分離を試み,この区分は重合度の低いアミロースと推定した.更にこの方法によって求めた澱粉のアミロースの定量値と澱粉の沃素呈色度の比色による定量法によって求めたアミロースの定量値との比較検討をした.