日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
有機リン剤の経時安定性に関する研究(第2報)
有機リン粉剤の加温虐待試験と自然経時変化の対応
竹原 啓小竹森 正人大石 剛毅
著者情報
ジャーナル フリー

1967 年 41 巻 5 号 p. 203-208

詳細
抄録

(1)有機リン粉剤類の虐待試験と自然経時変化の対応について検討し,次の結論を得た.
EPN粉剤は40°加温虐待試験60日,メチルパラチオン粉剤は40°加温虐待試験30日,マラソン粉剤は40°加温虐待試験30日が,それぞれ自然経時変化1年に対応する.
(2) EPN粉剤,メチルパラチオン粉剤,マラソン粉剤について経時変化率の変動について検討し,その変動の実態は虐待試験も自然経時変化でも同様であり,有効成分定量値として変動係数(CV)にして4~5%であった.
(3)経時変化率変動の要因についてメチルパラチオン粉剤について検討し,「初濃度の変化(1.6~2.0%)と分解率の関係は有意でない」,「増量剤の多少の付着水分はメチルパラチオンの分解を抑制する」, 「増量剤の平均粒子径の大きいものが安定性は良好である」,「有効成分原体,増量剤の試料間変動およびその交互作用は有意であり,経時変化率変動の要因となり得る」ことなどを明らかにした.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top