日本農芸化学会誌
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殺線虫剤によるジャガイモの褐変現象に関する研究(第1報)
褐変機構について
駒井 功一郎佐藤 庄太郎
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1971 年 45 巻 11 号 p. 483-488

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抄録

(1) ジャガイモ塊茎にハロゲン化炭化水素系殺線虫剤を接触して生ずる褐変機構について検討した.その結果,本褐変は塊茎組織に殺線虫剤が浸透し,細胞を破壊し,ポリフェノール類がポリフェノールオキシダーゼと接触して酸化され褐変化する,いわゆる酵素的褐変であると結論した.
(2) DBCPは他の2剤に比して褐変が著しいが,これは細胞破壊,浸透性などの性状を強く有するためと考えた.
(3) ポリフェノールオキシダーゼ活性はD-D, EDBおよびDBCPの各薬剤の接触によって生じた褐変組織中でもかなり安定で,薬剤と接触しても急激に失活しないことが,褐変の要因であると思考した.

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