日本農芸化学会誌
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Corticium rolfsii のendo-polygalacturonase酵素の耐酸性および低pH活性
梶 明大崎 武久
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1971 年 45 巻 11 号 p. 520-528

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抄録

(1) C. rolfsiiの8 strainが,培養液中に低pH活性のendo-polygalacturonaseを生産することが確認された.酵素活性の測定には,主として酸可溶性ペクチン酸が基質として使用された.
(2) C. rolfsii IFO 6146 (C. centrifugum(Lév.) Bresadola)およびC. rolfsii K 2のendo-polygalac-turonaseは低pH活性の傾向が著しく, pH 2.5において活性が最高を示し, pH1.5においてもかなりの活性を示し, pH 1.1においてすら明らかに活性を示した.
(3) 8 strainの生産するendo-polygalacturonaseはいずれも耐酸性を有し,しかもアルカリ側においても安定であった.
(4) C. rolfsiiの酵素に関する既報の研究成果も参考にして,酸性プロテイナーゼ,動物のペプシン以外にも耐酸性,低pH (pH 1.5~3.0)活性を有する酸性グリコシダーゼ,またはグリカナーゼと称すべき酵素群が存在することを指摘した.

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