日本農芸化学会誌
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タブ葉粘質物に関する研究(第3報)
過ヨウ素酸酸化およびメチル化分析
楠瀬 博三鴛淵 武雄
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1971 年 45 巻 4 号 p. 156-161

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抄録

タブ葉より抽出した水溶性の粘質物は0.68モルの過ヨウ素酸を消費するが,ギ酸およびホルムアルデヒドは,全く生成しない.また,スミス分解によってはキシロースとグリセリンが1:2のモル比で生成し,安全メチル化粘質物の加水分解産物は2,3,5-トリ-O-メチル-L-アラビノフラノース(5モル),2,3-ジ-O-メチル-D-キシロピラノース(1モル), 2-O-メチル-D-キシロピラノース(1モル)およびD-キシロピラノース(2モル)である.これらの結果から,本粘質物はD-キシロピラノース残基がβ-(1→4)結合によって結ぼれた主鎖のC-2およびC-3の位置にL-アラビノフラノースが非還元性末端としてβ-結合で分岐した構造をなしているものと推察した.

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