日本農芸化学会誌
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スエヒロタケの生産する多糖に関する研究(第2報)
酵素による微細構造の検討
菊本 昭一宮島 徹木村 恵太郎大久保 幸枝小松 信彦
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1971 年 45 巻 4 号 p. 162-168

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抄録

第1報に続いてスエビロタケが生産する粘質多糖(シゾフィラン)の構造について酵素分解により検討した.
Endo-β-1, 3-グルカナーゼにより分解するとグルコース,少量のラミナリビオースおよびゲンチオビオースとともに,多量の3-O-β-ゲンチオビオシールグルコースを生ずること, exo-β-1, 3-グルカナーゼにより水解を受け,ほぼ2:1のモル比でグルコースとゲンチオビオースを生ずることから,シゾフィランはβ-1, 3-グルコシッド結合をなす直鎖のグルコース残基3モルに対して1モルの割合で1分子のグルコースがβ-1, 6-グルコシッド結合を介して分岐した構造を基本単位とするグルカンであると推定した.

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