1971 年 45 巻 4 号 p. 169-175
マツバボタンの植物生長調節物質portulal (I)を二酸化マンガンで酸化するとγ-ラクトン(II)を生じ,またLiAIH4で処理するとアルデヒド基が還元されてportulol (III)を生じた. portulolは酸処理により転位,脱水ならびに環化反応が起こり, α,β-不飽和アルデヒド(IV)に変化した. I, IIIは共にイネ・ラミナジョイントテストで伸長阻害作用を示したが,ジベレリンによる大麦のアミラーゼ生成効果に対してはIのみが阻害作用を示した.