日本農芸化学会誌
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大豆種子の成熟過程における脂質とトコフェロール組成の変動について
吉田 弘美梶本 五郎
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1972 年 46 巻 7 号 p. 355-359

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抄録

大豆種子成熟過程における脂質,ならびにToc.の量的,組成的変化について調べた.開花後,成熟中の種子を5回に分けて採取した.
種子の成熟が最大に達する40日目に,脂質量も最大に達し,その後一定になった.総不飽和脂肪酸含量も同じような傾向を示し, 40日目には全脂肪酸の約80%になった.これに対して,総Toc.量は20日目から40日目, 60日目から80日目の2回にわたって著しく増加した.各Toc.のうち, γ-Toc., δ-Toc.は著しく増加したが,この時期にα-Toc.はわずかに増加しただけである. δ-Toc.は, 4日目から60日目にかけて生成量は少なく,γ-Toc., α-Toc.は同時期においても比較的増加した.各Toc.のうちで, α-Toc.の増加率が最も多いことがわかった.

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