1973 年 47 巻 1 号 p. 57-63
実験室周辺の土壌から,静置ならびに振盪の両培養でインドール反応陽性物質を著量に生産しうるアスペルギルス属の1菌株を分離し,かつこの菌株がAspergillus versicolor (Vuill.) Tiraboschiであることを明らかにするとともに,その1選択株の静置培養物から,さきにC. W. Holzapfelよびその協力老によって, Penicillium cyclopium Westlingの固態,ないし振盪培養物から順次単離された3種のインドール化合物, cyclopiazonic acid, cyclopiazonic acid imineおよびbissecodehy-drocyclopiazonic acidを単離証明した.なお,検討したかぎりでは, P. cyclopium West1.株とA. versicolor (Vuill.) Tirab.株とのほかには,こうした物質を生産しうる糸状菌株の存在する事実は見出されなかった.