1973 年 47 巻 11 号 p. 667-672
黄色種タバコの収穫葉(var. Hicks)を用い,火力乾燥中におけるデンプン粒の分解機構について検討した.
走査型電子顕微鏡,粒径,フォトペーストグラム,X線回折像,極限粘度ならびにリン含量の実験結果から,乾燥中のデンプン分解様式はreverse appositionによって起こることを推察した.
またα-アミラーゼに対する抵抗性実験によって,乾燥の黄変期から,経時的に採取したデンプン粒の間で分解に遅速のあることを明らかにし,一般に乾燥の進んだ葉のデンプン粒は分解されやすくなることが明らかにされた.