日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
DNA切断剤のRNA, デオキシオリゴヌクレオチドおよびRNA合成酵素反応に対する作用
飯山 悟村上 浩紀久良木 倫生大村 浩久
著者情報
ジャーナル フリー

1973 年 47 巻 7 号 p. 455-461

詳細
抄録

N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン,マイトマイシンC,コルチゾン,アドレナリンならびにグルコース-(ガラクトース)オキシムなどのDNA切断剤は, RNAに対しても切断作用を持つことがわかった.デオキシオリゴヌクレオチドに対する分解作用を調べた結果,デオキシプリンオリゴヌクレオチドの方が,デオキシピリミジンオリゴヌクレオチドよりも低分子化されやすく,またデオキシプリンオリゴヌクレオチドでも,おもにモノ-,ジヌクレオチドが分解されやすかった.
さらに,これらの薬剤で適当量の切断を生じさせたDNAをRNA合成酵素反応の鋳型として用いた場合には, RNA合成量が増加するということが明らかになった.しかし過度の切断が生じたときには,逆にRNA合成量は減少した.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top