1973 年 47 巻 7 号 p. 455-461
N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン,マイトマイシンC,コルチゾン,アドレナリンならびにグルコース-(ガラクトース)オキシムなどのDNA切断剤は, RNAに対しても切断作用を持つことがわかった.デオキシオリゴヌクレオチドに対する分解作用を調べた結果,デオキシプリンオリゴヌクレオチドの方が,デオキシピリミジンオリゴヌクレオチドよりも低分子化されやすく,またデオキシプリンオリゴヌクレオチドでも,おもにモノ-,ジヌクレオチドが分解されやすかった.
さらに,これらの薬剤で適当量の切断を生じさせたDNAをRNA合成酵素反応の鋳型として用いた場合には, RNA合成量が増加するということが明らかになった.しかし過度の切断が生じたときには,逆にRNA合成量は減少した.