農業経済研究
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報告
国産農産物の品質評価をめぐる課題と展望
─等級を中心に─
川崎 賢太郎
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2014 年 86 巻 2 号 p. 82-91

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抄録

本報告では品質の重要な指標の1つである等級に焦点を当てて,論点整理と分析結果の紹介を行う.はじめに品質を表すいくつかの指標を比較して等級の位置付けを整理した上で,等級が必要となる根拠を情報の非対称性という観点から考える.次に温暖化が稲作に与える影響を例に,農家経済における等級の重要性を明らかにする.計量分析の結果,気温の上昇は量ではなく質の悪化を通じて収入を低下させることが示される.最後に等級の改善策として,上位等級ほど補助金の単価が上昇する仕組み,品質支払に着目し,理論分析を行う.現実的な仮定の下,品質支払は数量支払や固定支払よりも費用効果的に品質と単収を向上させることが示される.

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© 2014 日本農業経済学会
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