2017 年 89 巻 2 号 p. 91-105
先進的農業経営体と地域農業システムとの関わりを,果樹農業を事例として,実証的に検討した.果樹農業では,農協を中核とした地域農業システムが形成されているが,先進的果樹農業経営体の多くは,農協共販に頼らず,独自の販路を開拓するなど,農協に依存しない経営展開を遂げている.しかし, 土地,労働力,さらに果実を地域から調達しており,地域農業の維持・発展は,先進的果樹農業経営体にとっても重要である.そのため,新規参入者の支援など,地域農業の振興に積極的に関与している経営も多い.一方,三ヶ日町農協では大規模経営に適応した地域農業システムが整備され,その下で展開している先進的果樹農業経営体もある.