2019 年 91 巻 2 号 p. 193-206
食料・農業・農村基本法が制定されて以来,約20年に及ぶ農業をめぐる国際交渉の変化という外部環境の変化と,その変化に伴う政策対応に焦点をあてて整理した.加えて,日本の農業政策とEUの農業政策も対比した.今後,20年間を見据え,WTO交渉が進むと仮定する場合,国内対策の緑の政策へのシフトや既存のEPA/FTAの譲許水準を超える水準を目指すことも考えられる.そうでないと仮定する場合,EPA/FTAがさらに進む可能性がある.今後の国際交渉の進め方については,日本の食料安全保障の確立という視点が最も重要であり,また,必要となる政策対応については,日本国民に関心を持っていただき,その上で理解が得られるかどうかという点が最も重要である.