主催: 日本薬理学会
会議名: 看護薬理学カンファレンス 2020 in 熊本
回次: 1
開催地: 熊本(オンライン)
開催日: 2020/11/21
災害支援では すべての場において 状況に合わせた 活動の役割がありそのた めにはさまざまな領域を複合させた知識と技術、柔軟な対応力が必要になる。今 回、平成 28 年に起きた熊本地震の支援において医師・看護師 ・薬剤師・理学 療法士など多職種連携により行った支援について Line 活用が有効だったので報 告する。
地震発生直後(急性期)においては 連絡手段が遮断された状況にあるため支援 を行うにあたり多職種での情報の共有が重要となる 。そのため、災害時でも比較 的通信が繋がりやすかった Line 上で掲示板を作り、多職種で情報共有を行った。 掲示板には場所、支援者名、支援内容などを簡潔に記載。道路状況も被災により 通行不可能な場所があり公共交通機関も麻痺していた為、通行できる道路にお いても渋滞が起こったりして支援のための移動もスムーズに行えない状況であった。
要配慮者に当たる利用者に対してまず行ったことは安否確認と生命維持に必 要な支援だった。利用者やその家族全員が SNSを使用しておりLine やメールで 安否確認はすぐに行え無事の確認ができた。しかし、震度 7という大きな地震 によりライフラインがほとんどの地域で使用できない状況だった。まずは水の確 保。人工呼吸器に使用する電源や蒸留水の確保。経管栄養の方への栄養剤と注 入に必要な物品の確保と輸送が最優先だった。各自が Line 上の情報を見て判断 し、タイムリーに情報交換をして行動したことで支援の重複を防ぎ効率よく支援 を行うことができた。災害支援において急性期は刻々と状況が変化するため、迅 速な対応 が 求められます。つまり、迅速な状況把握、適確な判断、行動力が大 変重要になってくる。しかし、大きな余震が続いている中で危険箇所などを確認 することなく移動して安全管理を怠ってしまったことは今考えると大変危険な事で あったと思う。また、衛生物品が不足する中で緊急時に各利用者が使用している 物品リストがなかったため確認に時間を要したこと、代用可能な物を把握できて いなかったことが課題になった。これらのことに関しては事前確認をすることで 改善していけると考える。いつ起こるかわからないからこそ普段から起きた場合 を想定して意識付けをしたり準備していくことが実際に震災が起きた時に役立つ のだと考える。