看護薬理学カンファレンス
Online ISSN : 2435-8460
2020東京
セッションID: 2020.2_S1-2
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シンポジウム1
開発業務受託機関(CRO)の看護師としてのキャリア
堀江 良子
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会議録・要旨集 オープンアクセス

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抄録

私は、病院での看護師の勤務を経て、現在、開発業務受託機関(CRO)にて、 臨床開発モニター(CRA)として働いている。CRO は、製薬企業等より、臨床試 験(治験)や製造販売後調査の実施等を受託している機関である。また、CRAは、 治験が関連法規や実施計画書等に従って適正に実施、記録、及び報告されてい ることを保証するための活動(モニタリング)を行う仕事である。

CRAとして働いている中で、看護 師の経 験 が 強みになっている。例えば、 CRAは、治験において、被験者(患者)の安全性が確保されているかを確認する 必要があるが、CRAは、被験者に直接接触することは出来ない。そのため、カ ルテの情報や治験コーディネーター、医師のお話等から被験者の安全性が確保 されているかを確認する。被験者に直接接触しなくても、カルテの情報等から被 験者の状態を想定することは、通常の看護業務の中で行っていたため、モニタリ ング業務を行う上でも、看護師としての臨床経験がプラスになっている。

また、治験は、実施計画書等を遵守して実施されなければならないが、収集し たデータが、実施計画書等から逸脱した信頼性のないデータであれば、有効性 や安全性を適正に評価できず、有効で安全な医薬品等を速やかに医療現場に届 けることができなくなる可能性が生じる。治験実施にあたり、臨床での経験を通 じて、発生しそうな逸脱について想定し、それに対して予防策を講じることで、逸 脱発生の防止に繋がると考える。その点からも、看護師の経験が今の仕事に生き ていると感じる。

臨床現場において、目の前の患者さんを看ることは看護師の重要な役割である。 また、臨床から離れた場所においても、患者さんのために、看護師の知識や経験 が強みになる仕事がたくさんあるとも感じる。看護師だからこそ、その知識や経 験を様々な場所で発揮できれば良いと考える。

本シンポジウムでは、臨床から離れた看護師のキャリア形成の1例として、私の 経験を紹介させていただく。皆さんが今後のキャリアを考える上で、私の経験が 少しでもお役に立てれば幸いである。

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© 2020 本論文著者
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