看護薬理学カンファレンス
Online ISSN : 2435-8460
2020東京
セッションID: 2020.2_S1-3
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シンポジウム1
キャリアデザインを考える上での看護政策
北村 千絵
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会議録・要旨集 オープンアクセス

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抄録

近年、わが国における少子高齢化、医療・介護ニーズの多様化等により社会 保障制度の改革が進む一方で、看護職の労働環境を巡っては看護職の平均年 齢の上昇・夜勤可能者の確保困難等が生じ、看護職を取り巻く環境は大きく変化 しています。さらには、医師の働き方改革等が進む中で、今後はより一層、看護職 が専門性を発揮しながら、生涯働き続けられる環境を整えていく必要があります。 看護職が生き生きと働き続けながら専門性を発揮できるために、個々の看護職 が自己実現にむけて、自身のキャリアデザインを考える機会をもつことは、大切な要

素のひとつと考えます。 私は看護系大学を卒業後、大学病院小児科病棟で看護師として 3 年勤務し、

その後看護系大学の助手を1 年経験した後、大学院(博士前期課程)に進学し ました。主に小児がんの子どもの看護を経験するなかで、病気を経験した子どもや、 症状を抱えながら成人にむかう子どもの制度・政策に興味を持ち、現在の職場で 勤務しています。

現職では、主に重点政策 3-2「看護業務の効率化・生産性向上のための支援 策の提案」に携わり、看護業務の効率化に資する先進的取組の収集・周知・普及、 看護業務の効率化・生産性向上に関する本会方針の検討に取り組んでいます。

前職までは、患者さんにとって最善のケアを実施するうえでは、目の前の子ども に対して自分はどのようなケアができるだろうかといった、個々の看護師による看護 実践を充実させることの重要性を学びました。

現職ではさらに、個々の看護職が、医療機関内や社会において看護がどのよう に評価され、何を求められているのかを知ることや、社会や看護職以外の立場に むけて、看護の在り方や専門性を発信することの重要性を日々感じ、視野が広がっ たと感じています。そしてこのことは、ひいては、子どもを含む人々の心身の健康や、 子どもがその子らしく成長していくための支援につながると考えています。

私自身、子どもの心身の健康に向けて今後どのような立ち位置で何を実践して いくか、ということを模索している最中ではありますが、これまでの経験や、キャリア デザインを考えるうえで私が大切だと感じたことについて共有させて頂きます。未 熟者ではありますが、看護職やこれから看護職を目指す方々にとっても、何らかの お力になれば幸いです。

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© 2020 本論文著者
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