日大医学雑誌
Online ISSN : 1884-0779
Print ISSN : 0029-0424
ISSN-L : 0029-0424
原著
両側人工膝関節置換術における,持続硬膜外鎮痛・持続大腿神経ブロック併用の有効性
中村 陽介加藤 実清水 美保後閑 大小川 洋二郎小川 節郎
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 71 巻 5 号 p. 336-342

詳細
抄録

両側人工膝関節置換術 (両側 TKA) の術後鎮痛において,ロピバカインを用いた持続大腿神経ブロック (持続大腿) をロピバカイン単独の持続硬膜外鎮痛 (持続硬麻) に併用し,その有効性を研究した.当院で施行された両側 TKA 患者 30 名 (60 下肢) を対象に,持続硬麻 (持続硬麻単独側) と片側下肢のみ持続大腿を併用し (持続大腿併用側),術後 48 時間後までの安静時,体動時の痛みの強さを VAS 値 (0-100 mm) にて,また副作用についても左右下肢別に記録し比較検討した.同一患者において左右の下肢の間には,安静時,体動時ともにいずれの評価時点でも鎮痛効果の有意差 (p < 0.001-0.05) を認めた.副作用は,悪心,持続大腿併用側下肢のしびれ感がそれぞれ 6 名の患者に認められた.両側 TKA 術後の鎮痛において,持続硬麻単独鎮痛に比し,ロピバカインを用いた持続硬麻と持続大腿の併用はより有効な鎮痛法であると結論する.

著者関連情報
© 2012 日本大学医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top