抄録
現在,統合失調症を含んだcommon disease のゲノムワイド相関研究(genome-wide association study:GWAS) が盛んに行われている.統合失調症に関しては,七つのGWAS が施行された.その後,さらに対象を増やしたGWAS のfollow-up 研究も行われた.これらのGWAS とfollow-up により,統合失調症と以下の遺伝子の相関が検出された:1) 12 番染色体上のCACNA1C 遺伝子(P=1.2×10-8),2) 2 番染色体上のZNF804A 遺伝子(P=4.1×10-13).1) は対象数57,213 人,2) は対象数59,949 人で確認された.今後は,GWAS とfollow-up で得られた所見を基に,さらなる研究が進められていくと思われる.