日大医学雑誌
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症例報告
化学療法が奏功した乳腺微小乳頭癌の1 例
長島 沙樹櫻井 健一鈴木 周平安達 慶太増尾 有紀原 由起子平野 智寛榎本 克久天野 定雄藤崎 滋
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2015 年 74 巻 6 号 p. 299-303

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抄録
術前化学療法が奏功した乳腺浸潤性微小乳頭癌(IMPC) を経験した.症例は60 歳,女性.左乳房腫瘤を主訴に受診.超音波検査では左C 領域に35 mm の境界不明瞭な腫瘤を認め,同側腋窩に転移と思われるリンパ節腫大を認めた.針生検の結果,IMPC,ER 陰性,PgR 陰性,HER2 陽性と診断された.T2N1M0=Stage 2b の診断で術前化学療法を施行した.治療効果判定では縮小率60% であった.胸筋温存乳房切除術+リンパ節郭清術を施行した.組織学的効果判定はGrade 2a.術後5 年を経た現在,無再発生存中である.
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© 2015 日本大学医学会
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