2017 年 76 巻 1 号 p. 11-14
進行がんの新規腫瘍免疫領域として制御性T 細胞の除去治療が期待されている.始まりは自己免疫疾患やアレルギーや造血幹細胞移植後において制御性T細胞の誘導はそれぞれの病態を改善することであったが,腫瘍領域においては,この細胞群は真逆に機能していることが判明した.これにより腫瘍内に浸潤しているあるいは周辺に存在するこの細胞群を除去することにより腫瘍免疫を高めることがわかってきた.これとは別に膠原病において,T 細胞やサイトカインの減弱による病態改善として多くの抗体やタンパク製剤が使用可能となっている中で,新たにB 細胞を直接間接的に制御することにより病態改善が期待できることもわかってきた.T 細胞,B 細胞の制御によるそれぞれ新たな免疫担当細胞の制御がさらに重要になってきた.