日大医学雑誌
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原  著
切除不能膵癌に対する Gemcitabine + nab-paclitaxel 療法の治療成績の検討
服部 桜子楊 昌洋若林 和彦伊藤 豊
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2022 年 81 巻 1 号 p. 35-38

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抄録

当院で切除不能膵癌に対して Gemcitabine (GEM) +nab-paclitaxel (nab-PTX) 療法(GnP 療法)を一次治療で施行した 17 例の治療成績を検討した.治療企画時の病期分類は Stage IIA が 3 例,Stage III が 4 例,Stage IV が10 例であり,切除可能性分類は UR-LA が 7 例,UR-Mが 10 例であった.治療効果は PR 6 例,SD 8 例,PD 3例で,奏効率は 35.3%,病勢制御率は 82.4%であった.GnP 療法後に Conversion Surgery を施行した症例は 4 例あり,UR-LA が 3 例,UR-M が 1 例であった.いずれも非切除例より良好な全生存期間を得ている.集学的治療に奏効した患者で耐術可能な場合,Conversion Surgeryは試みられるべき治療法と考える.

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© 2022 日本大学医学会
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