[背景]精神疾患患者では栄養摂取の偏りが精神症状や焦燥感に関連し得るため、栄養精神医学の観点から多職種による介⼊が重要である。
[症例]40 歳代⼥性、統合失調症。肥満症(BMI 31.2)、脂質異常症、⾼⾎圧、腎機能障害を併存し、対⼈ストレス時に糖質過剰摂取と強い焦燥を呈した。初診時、中性脂肪 277 mg/dL、フェリチン 25 ng/mL、⾎清鉄 45 µg/dL であった。栄養⼠は7 回の指導で、⾼糖質の間⾷・清涼飲料⽔の制限、タンパク質と鉄を中⼼とした⾷事、緑⻩⾊野菜や⾷物繊維によるビタミン補給、歩⾏量増加を提案した。指導後、⾎清鉄 86 µg/dL、フェリチン 37 ng/mL、中性脂肪 173 mg/dL へ改善し、焦燥感は軽減した。体重は70.3 kg から69.4 kg へ減少し、患者は学⽣時代に好んでいた⾛⾏を再開した。
[結論]統合失調症におけるストレス関連の⾷⾏動には、鉄関連指標や⾷事内容を評価し、栄養⼠を含む多職種で具体的な⾷事調整と⾏動⽬標を設定することが有⽤である可能性が⽰唆された。