[背景]統合失調症では慢性的な精神症状に加え、糖質偏重・タンパク質不⾜などの栄養不良が、神経伝達物質合成や⾎糖調節を介して意欲や思考⼒の低下・感情調整不良を助⻑しうる。栄養精神医学では、⾷事内容の是正が症状安定化に寄与することが報告されている。
[症例]63 歳男性、統合失調症。⻑期に⽢味飲料・菓⼦・炭⽔化物中⼼で、タンパク質・微量栄養素が著しく不⾜していた。X 年より⾷事改善指導とビタミンC、鉄、ビタミンB 群、DHA/EPA、ミネラル等の補給を開始した。X+1 年より意欲・会話量が改善し、X+2 年には⾎糖値スパイクによる不調を⾃覚し⽢味摂取を控えるなど⾃⼰調整⼒が向上。X+3 年には⾃発性・判断⼒・社会的配慮が回復した。
[結論]⻑期の偏⾷が精神症状を増悪させる可能性を⽰し、⾷事および栄養補給の体系的⽀援が統合失調症の機能改善に有効であることを⽰唆した。