[背景]⾎糖変動は動悸・めまい・中途覚醒などの⾃律神経症状を増悪させる可能性がある。しかし⽇常⽣活下の変動は従来の検査では把握が難しい。持続⾎糖測定は⾎糖変動の時間的パターンを可視化でき、症状との関連評価や⾏動変容⽀援に有⽤性が報告されている。
[症例]40 代⼥性。対⼈ストレス後の感冒様症状を契機に下痢、腹部膨満、不眠、動悸、発作様の不安が出現し、⾷欲低下が持続した。症状は⾷事前後や夜間に集中していた。初期介⼊では改善が限定的であったが、持続⾎糖測定により昼⾷後の⾎糖スパイク(最⾼246 mg/dL)と夜間相対的低⾎糖(50〜70 mg/dL)が明らかとなった。これを基に糖質量と補⾷時刻の最適化、⾷後の短時間歩⾏、就寝前の糖質・中鎖脂肪酸・必須アミノ酸補給、漢⽅薬の時刻調整など段階的な⽣活・栄養介⼊を⾏い、中途覚醒・動悸・不安の改善を認めた。
[結論]持続⾎糖測定による⾎糖変動の可視化は、症状理解と⾏動変容を⽀援し、個別化された⽣活・栄養介⼊の検討に資する可能性がある。本症例は、⾎糖変動の是正と症状の改善が時間的に関連した可能性を⽰す仮説提案型の症例報告であり、⽇常診療での位置づけは今後の検証を要する。