市立大町山岳博物館研究紀要
Online ISSN : 2432-1680
Print ISSN : 2423-9305
飼育下のキジ(Phasianus versicolor)における雄変の報告
佐藤 真
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2016 年 1 巻 p. 71-74

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抄録

市立大町山岳博物館付属園では2005年よりキジ(Phasianus versicolor)の飼育を行っている. 本稿では, 性成熟後のメスにおいてオスの形態的・生態的特徴を呈することを雄変と定義し, 当館付属園の飼育下個体における雄変の報告及びその原因と雄変の適応的意義について考察した. 当館付属園では, 主に雌雄同居の平飼いを行っており, これまでに計13羽を飼育し, 自然繁殖によって第2世代までみている. 2014年7月16日に雌雄ペアで飼育していたメス個体の頭部にオス特有の羽装色が見られた. また, 同個体は2013年まで放卵を行っていたが, 2014年以降には放卵は行っていない. 雄変の原因として, 先天性である遺伝子疾患や発現異常なども考えられるが, 少なくとも当館付属園の飼育個体においては, 野生由来の卵から孵化し産卵経験もあるため, 老齢化によって内分泌系やホルモン機能環に異常が生じた可能性が最も高い.

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© 2016 本論文著者
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