抄録
特定外来種に指定されるアライグマ(Procyon lator)は,長野県の各所で生息および定着が確認されている.大町市においては,これまで目撃や捕獲情報は挙げられていないが,近隣市町村での生息が報告されていることから,移入している可能性が十分に考えられる.そこで,本種がねぐらとして利用することが各地で報告されている寺社仏閣の柱に残された爪痕を調べた.調査の結果,アライグマの爪痕が99地点中5地点で確認された.市の南部を中心として確認されたことから, 南方の隣接市町村で定着しているとされる個体が,高瀬川水系沿いに北進してきている可能性が示唆される.今後の対策指針を明確にするためにも,センサーカメラによる撮影等の手法を併用してモニタリングし,動向を注視していく必要がある.