お茶の水女子大学附属中学校研究紀要
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第一学年総合カリキュラム 「今を生きる・これから生きる世界を“ジブンゴト化” 
2030年の社会デザイン計画
加藤 理嘉桐山 瞭子寺本 誠藤倉 遼介
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2025 年 53 巻 p. 163-

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抄録
 本学年では、学年目標を『「輝(ひかる)」~互いの良さを照らし、自分を磨き、輝く未来を切り拓く~』と設定している。第一学年では「照らす」~自分や仲間の可能性に気づき、見出せる人に~を重点目標として、学年の総合カリキュラムの活動の設定を行った。  はじめに、本学年の独自の活動として行っている、「第一学年重点目標『照らす』シンボルマークデザイン募集」を行ったことを挙げる。本活動は、前述した3年間を通しての学年目標に対し、3年間の各重点目標である「照らす」(第一学年)、「磨く」(第二学年)、「輝く」(第三学年)に対して各年度の始めに重点目標をテーマとしたシンボルマークデザイン募集を行ったものである。生徒たちの投票の結果、採用されたシンボルマークは学年フロアへの常時展示、学年集会や学年保護者会等のメインビジュアルとするなど、学年の象徴として様々な場で活躍する。尚、3年間を通した学年目標をテーマにしたシンボルマークは、学年担当の教員がデザインして入学時に提示しており、シンボルマークデザイン募集の導入時にはマークに込めた思いや、デザインの理由について触れることで、ビジュアルと共に、学年集団への願いや思いを込めたデザインを考案するよう伝えている。  後期に行った総合カリキュラムでは、「今を生きる・これからを生きる世界を“ジブンゴト化”~2030年の社会デザイン計画~」という活動テーマを設定し、講演や体験を通して、身近な社会の中にある課題を知り、課題の克服や、未来に向けてどのような社会を創っていきたいかについて考えていく学習を全5時間の時間割構成で行った。尚、本総合カリキュラムのテーマは3年間を通したものとし、各学年の重点を「知る×ジブン」(第一学年)、「つかむ×ジブン」(第二学年)、「創る×ジブン」(第三学年)と設定している。第一弾として、認定NPO法人ReBit(リビット)とスターバックスジャパンのスタッフや性的マイノリティ当事者の方をお招きし、「多様な性ってなんだろう?~互いの違いを受け止めあえる社会を目指して~」をテーマに講演いただいた。第二弾では、筑波大学特別支援教育連携推進グループの協力をいただき、視覚・聴覚・肢体不自由の方が扱っている白杖、車いす、聴覚障害の体験学習及び講演をいただいた。第一学年としての総合カリキュラム最後である第三弾の講演は、株式会社電通のアートディレクターである加藤寛之氏をお招きし、「好きを仕事に、ジブンゴトになるデザイン」というテーマでお話をいただいた。学年末の2回の総合カリキュラムでは、生徒たちが各クラスの生活班に分かれて、これまで3回の講演や体験を通した学びの軌跡をビジュアライズした掲示物を作成し、クラスを分割して交流しながらの発表を行った。  これら第一学年での学習活動を活かし、第二学年では「磨く」~挑戦・研鑽し、行動できる人に~を重点目標に活動を設定していく。主として、宿泊学習である林間学校や進路、研究室訪問などのキャリア学習、3年次修学旅行に向けた事前学習を行う中で、理想の社会を創る上での課題を解決するための具体的な方法は何か、世界を変えるために誰がどのようなことに取り組んでいるか、ジブンゴトとして考えるにはどのようにすればよいかについて探っていく活動としたい。これらの活動の総称を「ジブンゴトタイム」とし、進行していく予定である。生徒たちが活動をジブンゴトとして考えることで、仲間と共に未来の社会デザイン像をつかんでいくことのできる活動として発展させたい。
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