抄録
都市の遮断蒸発の動態解明に向け,屋外準実都市模型(以下COSMO)上にて遮断蒸発実験を行った.遮断蒸発量は平均して降雨の6%程度であり,森林域での報告例(10-50%)より小さく,その熱源は晴天時,都市キャノピーに貯えられた熱量であった.また,森林域で報告されているような降雨継続時間・総降雨量の関係は見られなかった一方,降雨初期飽差と強い相関があることが分かった.都市と森林域でのこれらの違いは両者のキャノピー構造の違いに起因することが考察された.つまり,キャノピー構造によって規定される,有効表積率,キャノピー構成要素のサイズ,熱容量の違いが都市と森林の遮断蒸発の絶対量,熱源・支配パラメータに違いをもたらしていると考えられた.