近年,多くの高専で,「学生の創造性」を育成することを主眼とした取組みが行なわれている.このような教育を,高専学会において「創造教育」と称されるようになった.人間の「創造性」を,高めることを目的とする「創造教育」は,ある意味では教育の基本理念ともいえるものである.したがって,高等専門学校においてはもとより,他の教育機関や企業,地域などと連携・協力し,「創造教育」を発展させていくことは,日本の教育改革にとっても,大変意義あることと思われる.このような目的を掲げ,平成17年度,18年度、科学研究費の助成により,全国の高等専門学校と工学系の大学を対象に,「創造教育」の実態調査を行なった.本報告はその調査結果を分析することにより,「創造教育」の現状を把握し,さらに,全国の高専と地域,大学,企業等の連携を展望し,「創造教育館」の構築を提案する.