2019 年 56 巻 p. 19-23
チタンは人骨と弾性係数が異なることからストレスシールディングが発生し,直接結合しにくいことが問題となっているが,チタンを多孔質化することで人骨の弾性係数に近づけることができる.多孔質チタンインプラントの実用化のためにin vivo実験が必須であるが,多孔質チタンを用いたインプラント形状への加工は困難とされてきた.本研究ではウサギの骨に試料を埋め込むin vivo 実験を目標とし,実際に歯科医療で用いられているインプラントよりも小型化したインプラント型の試料を製作した.多孔質チタンは放電プラズマ焼結(SPS)法で製作した.焼結条件を変えて製作した試料を加工した結果,圧縮力を30 MPa ,焼結温度を570℃で15分保持したものが,加工中の試料の破壊を防げることがわかった.圧縮強度は150 MPaであり,良好な加工が期待出来る.