抄録
【目的】 血管原性下腿切断後に義足リハを行った高齢患者を対象に義足歩行獲得の有無と臨床経過を調査した.【対象】 対象は,2014年1月~2018年12月に形成外科病棟に入院し下腿切断術後の義足リハを行った10 名とした.【結果】 入院期間は,68.9日,入院からリハ開始までの期間は,14.2日,リハ実施日数52.9日,手術から義足完成までの期間27.4日,非切断側のWBI 0.35kgf/kg,幻視痛の出現は3名,透析患者4 名,入院時FIM 75.2点,退院時FIM 98.6 点,退院時歩行FIM 5.3 点,自宅退院8 名であった.【考察】 義足歩行の獲得には,非切断側の膝関節伸展筋力,リハ実施期間,透析の有無が影響する可能性が示された.また,入院期間は長期化する傾向にあることから,効率的な転院調整と在宅スタッフとの連携強化が重要と考える.