抄録
【目 的】 アキレス腱断裂に対する保存的治療にて,アキレス腱の構造や病期を勘案した理学療法が奉功し,腓腹筋の筋力強化に伴う歩行能力改善に至った一症例について報告する.
【対 象】 対象は49歳の男性,ソフトバレー中にアタックをしようと踏み込んだ際に受傷.直後より歩行は可能であったが,階段昇降が不可能となった.MRIよりアキレス腱不全断裂と診断され仕事上の理由により保存的治療が開始となった.
【理学療法と経過】 保存的治療での合併症に十分注意し,アキレス腱の解剖学的構造や下腿三頭筋の筋機能を考慮した理学療法プログラムを検討した.特に,腓腹筋内側頭における筋機能と立脚終期の改善を目的に,局所的なアプローチから全身的なアプローチを追加して行った.その結果筋機能改善に伴う歩行能力の改善に繋がった.
【結 語】 アキレス腱断裂の保存的治療を施行した症例に対し,腱の修復過程に応じた理学療法を実施したことで良好な結果に至った