2023 年 4 巻 3 号 p. 873-881
筆者は,AI等を活用して港湾施設の変状を検出するシステムの開発を行っている.錆汁・鉄筋露出の検出を行う物体検出AIについて,教師データを追加し,学習回数を見直す等の改良の検討を行った.UAV空撮画像等のテストデータに対するF-score(IoUの閾値50%,確信度の閾値50%)は,全クラス合計で39%であり,過去研究の38%とほぼ同じであった.教師データが2.1倍になった錆汁と5.1倍になったその他の錆(鉄筋露出以外の錆)は検出精度が向上しており,改善策の効果が見られた.