良性甲状腺結節に対する手術適応について確立された基準はない。そこで,術前に良性と推定された甲状腺結節(術前推定良性甲状腺結節)に対する手術症例の特徴を検討した。その結果,手術適応は,濾胞性腫瘍が最多で,以下,結節径が大きい,増大傾向が続いていた。術後病理診断は,約9割が腺腫様甲状腺腫または濾胞腺腫,約1割が濾胞癌であった。良性濾胞性腫瘍と濾胞癌の特徴を比較した結果,濾胞癌において増大傾向を有した症例の比率が高い傾向にあった。濾胞腺腫は,大きさ4cm以上になるまで悪性化しないとの報告がある。結節の成長速度が4mm/年以上である場合,悪性の可能性が高まるとの報告がある。良性甲状腺結節と推定されても,大きさ4cm以上,成長速度4mm/年以上のものは,悪性である可能性を考慮し,手術を考慮したほうがよいと考えられた。