2026 年 43 巻 2 号 p. 87-91
2025年に分化型甲状腺癌に対する改訂ATAガイドラインが発表され,131I治療の適応と位置付けが大きく整理された。従来からのアブレーション,アジュバント,既知病変治療の明確な区別のもと,リスク評価に基づく推奨投与量が提示され,中間リスクの広範リンパ節転移やT3以上の症例に対するアブレーションおよびアジュバント(1.1~3.7GBq),高リスク群に対するアジュバント(3.7~5.55GBq),遠隔転移に対する反復投与も含む治療(3.7~7.4GBq)が明確に推奨された。またTSH刺激においては,一定条件下で既知病変治療にもrhTSHの使用を認め,SPECT/CTによる131I集積陰性評価やFDG-PET陽性を131I不応の判断基準として明記した。さらに診断・進行評価・治療選択・治療反応評価からなるDATA Frameworkを導入し,意思決定支援を強化している。これらの改訂点は,JAESガイドラインとの対比において,わが国の131I治療の実臨床に影響を及ぼす可能性が高い。