2009 年 41 巻 2 号 p. 132-134
Duchenne型筋ジストロフィーにおいて, 未熟終止コドンの抑制に作用する「リードスルー薬」の研究が急速に進んでいる. この薬物が臨床応用されるにあたり, すでに副腎皮質ステロイド薬を使用している症例への追加投与を検討しておくことは重要と考え, ヒト培養骨格筋細胞およびマウスを用いた基礎的な検討を行った. その結果, 副腎皮質ステロイドとリードスルー薬としてのgentamicinの併用療法は, ジストロフィン産生の効率が高められ有効であることが示された. 副腎皮質ステロイドの併用により, gentamicinの投与量を減じ, 長期投与で問題となる腎毒性, 聴神経障害などの副作用の軽減にも役立つと考えた.