脳と発達
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総説
Duchenne型筋ジストロフィーの治療の最前線
松尾 雅文
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2009 年 41 巻 2 号 p. 92-95

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抄録

 Duchenne型筋ジストロフィー (DMD) は男児3,500人に1人が発症する最も頻度の高い遺伝性進行性筋萎縮症である. DMDはジストロフィン遺伝子の異常に起因する筋肉のジストロフィン欠損を特徴とする. 多くのDMDでは, このジストロフィン欠損はジストロフィン遺伝子のエクソン単位の欠失の異常によりジストロフィンmRNAのアミノ酸読み取り枠にずれを生じ (アウトオブフレーム), mRNA上にストップコドンが新たに出現し, ジストロフィン合成が翻訳の途中で停止してしまうために生じる. また, 1部のDMDではジストロフィン遺伝子の1塩基置換のためにナンセンス変異を生じ, ジストロフィンの合成が停止し, そのためにジストロフィンが欠損する.
 現在DMDの治療としてジストロフィン遺伝子のエクソン欠失に対してはエクソンスキッピング誘導治療が, ナンセンス変異に対してはリボソーマルリードスルー誘導治療が提唱されている. ここではDMDの治療の最近の動きについて紹介する.

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© 2009 一般社団法人日本小児神経学会
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