2009 年 41 巻 3 号 p. 185-190
頭蓋内くも膜囊胞は髄液と同性状の液体で占拠された囊胞で, その被膜がくも膜で構成される囊胞であると定義される. 囊胞の大きさにより周辺脳組織を圧迫するほか, 髄液循環を障害して水頭症を合併することがある. くも膜囊胞の手術適応と手術方法に関しては, 多施設前方視的研究が行われていないため, 明確な治療指針は未だ確立されておらず, 個々の患児に, 個々の施設の基準で治療適応が決定され, その施設ごとの方法で治療が行われているのが現状である. 本稿では治療適応と方法について整理し, 最近の神経内視鏡による治療を紹介する.