脳と発達
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症例報告
短潜時体性感覚誘発電位で中枢伝導時間の著明な延長を認めた先天性無痛無汗症の2例
田中 竜太須貝 研司富士川 善直小牧 宏文中川 栄二斎藤 義朗大戸 達之橋本 俊顕佐々木 征行
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2009 年 41 巻 6 号 p. 452-456

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抄録
 先天性無痛無汗症の6カ月女児および3歳2カ月男児の脳誘発電位を検討した. 2例とも聴性脳幹反応 (ABR) の潜時は正常であったが, 閃光刺激視覚誘発電位 (F-VEP) でIV波 (P100) 潜時の遅延, 短潜時体性感覚誘発電位 (SSEP) で中枢伝導時間 (N13-N20間潜時) の著明な延長が認められた. 男児例はWest症候群後で脳波上多焦点性てんかん放電を認め, SSEPの所見はその影響を受けていると考えられた. 乳児例はてんかんの合併もなく, F-VEPやSSEPの異常は本疾患における中枢神経発生障害を反映した可能性が考えられた.
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© 2009 一般社団法人日本小児神経学会
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