脳と発達
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原著論文
Duchenne型筋ジストロフィーのステロイド治療
下村 英毅藤井 達哉宮嶋 智子熊田 知浩木村 暢佑小田 望齊藤 景子
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2011 年 43 巻 1 号 p. 24-29

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抄録

 Duchenne型筋ジストロフィー (DMD) はX連鎖劣性遺伝形式で進行性の筋力低下を呈する疾患である. 現在, 臨床現場で使用可能な薬剤で, この筋力低下に対する有効性が客観的に評価された薬剤はステロイド剤以外の報告はない. 我々はDMD 29例 (ステロイド剤投与例14例, 非投与例15例) へのステロイド剤の効果について後方視的に検討した. ステロイド剤はprednisoloneを使用し, 0.5mg/kgまたは0.75mg/kgを10日内服し, 20日休薬, 0.5mg/kgまたは0.75mg/kgの隔日投与, 5mg/kgを週に2回投与する方法であった. 結果, 投与例と非投与例で歩行不能月齢に有意差を認めず, 平均10歳6カ月であった. 一方, 投与例14例中13例で日常生活動作が改善した. 歩行可能期間の延長効果を示す投与方法についてはさらに検討が必要である.

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© 2011 一般社団法人日本小児神経学会
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