抄録
小児てんかん患児の生活の質 (QOL) に対する認識について, 患児・家族と主治医とのギャップ調査をし, 診療に役立てることを目的にした. 2006年に実施した日本てんかん協会所属の患者 (5,122名) への大規模アンケート調査で, 回答の得られた患者1,701名, 医師502名のうち, 16歳未満の患児 (家族が回答) とその主治医が対になった107組の解析を行った. その結果, 薬剤に期待する内容や発作時および発作後の症状, 病気への心配などについて, 主治医が十分把握できていないことが判明した. 今後限られた日常診療時間内で, 医師は患児家族から必要な情報を効率的に入手するとともに, それに基づいた治療方針を患児家族に提案し, 両者の考え方ができるだけ一致するように努めるべきと思われる.