脳と発達
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症例報告
Midazolamにより誘発された新生児発作様異常運動
石﨑 裕美子渡部 晋一御牧 信義新垣 義夫大塚 頌子
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2011 年 43 巻 4 号 p. 291-294

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抄録

 満期産の新生児に鎮静のためmidazolam (MDL) を投与したところ, 上肢の太鼓叩き様運動, 下肢の自転車こぎ様運動を認めた. 発作時脳波を記録できたが異常なかった. 新生児発作ではなく, brainstem release phenomenonと考えた. また, この症例と臨床症状が類似した2例を経験し, うち1例にdiazepamを投与したところ, 異常運動は増悪した. 全例発作間欠時脳波に異常なかった. MDL投与後に新生児発作様異常運動が起きた場合には, 発作時脳波を確認し, 変化がなければ抗てんかん薬の投与は不要と考える. 今後, MDLの使用法を含め, 新生児の鎮静にどのような薬物が適切であるかの検討が必要である.

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© 2011 一般社団法人日本小児神経学会
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