けいれん重積型急性脳症 (acute encephalopathy with febrile convulsive status epilepticus) を発症し, 一過性の失語症と, 回復期に後天性読字障害を残した6歳女児について検討した. 失語症は流暢性で失名詞と考えられ, 後天性読字障害には音韻処理過程の障害の関与が示唆された. MRI, 脳血流シンチグラム等で経時的変化を観察し, 臨床症状の改善とともに左頭頂側頭葉中心に病変が残存した. 急性脳症におけるこれら合併症の病態と治療を検討する上で, 重要な症例であると考えられた.