脳と発達
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短報
Levetiracetamが著効したSTXBP1遺伝子変異による大田原症候群の1例
山下 哲史千代延 友裕吉田 路子諸戸 雅治森田 高史森岡 茂己加藤 光広才津 浩智森本 昌史細井 創
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2013 年 45 巻 1 号 p. 64-66

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抄録

STXBP1変異による大田原症候群の1例を経験した. 新生児期に部分発作で発症し, 生後1カ月よりepileptic spasmsが出現した. その後, 種々の抗てんかん薬およびACTH療法に対して難治に経過したにもかかわらず, 生後8カ月より開始したlevetiracetam (LEV) が著効した. STXBP1変異がもたらすてんかんの病態とLEVの作用機序を考察する上で示唆に富む症例と考えられたため報告する. 一方で, 発作が抑制されたにもかかわらず痙性を伴う重度の発達遅滞を呈しており, STXBP1のハプロ不全はてんかんのみならず, 神経機能に重大な障害を引き起こすことが示唆される.

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© 2013 一般社団法人日本小児神経学会
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