脳と発達
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症例報告
家族歴にMenkes病を認める新生児3例の臨床像の検討
八木 麻理子楠 典子李 知子粟野 宏之森岡 一朗児玉 浩子竹島 泰弘飯島 一誠
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2014 年 46 巻 1 号 p. 26-29

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抄録
 【目的】Menkes病 (MD) 早期診断の手がかりを検討する. 【方法】家族歴にMDを認め罹患リスクのある男児3例 (罹患児1例, 非罹患児2例) の新生児期の臨床像を比較した. 【結果】MDに特徴的なkinky hairは, 出生直後は極軽微で見逃す危険性があった. 血清銅は, 罹患児では経時的に低下したが, 非罹患児では上昇した. MDで上昇するとされる尿HVA/VMA比は, 罹患児ではcut off値 (4.0) を超える値を示した. 非罹患児では, カテコラミン投与中は11.0と高値を示したが, カテコラミン非投与時はcut off値未満を推移した. 【結論】血清銅の経時的変化と尿HVA/VMA比がMDの早期診断に有用であることが示唆された.
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© 2014 一般社団法人日本小児神経学会
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