2014 年 46 巻 2 号 p. 109-114
Duchenne型筋ジストロフィーではジストロフィンの発現を誘導することが根本治療となる. 現在, 変異ジストロフィン遺伝子からの遺伝情報を修飾することによる分子治療が注目されている. 「アンチセンスオリゴヌクレオチドによるエクソンスキッピング誘導治療」はスプライシングの過程で欠失領域に隣接するエクソンスキッピングを誘導しアミノ酸読み取り枠のずれを修正するものであり, 「ナンセンス変異リードスルー誘導治療」は翻訳の過程でナンセンス変異を読みとばすものである. その一部は, すでに治験が開始されており, これらの治療が一日も早く多くの患者さんのもとへ届けられることが期待される.