脳と発達
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シンポジウム6:筋ジストロフィーの治療戦略―国際ガイドラインをふまえて
Duchenne型筋ジストロフィーの呼吸マネジメント
石川 悠加
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2014 年 46 巻 2 号 p. 103-107

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抄録
 Duchenne型筋ジストロフィー (Duchenne muscular dystrophy ; DMD) において, 非侵襲的陽圧換気療法 (non-invasive positive pressure ventilation ; NPPV) により終日までの換気を維持し, 徒手や機械による咳介助を行い, 窒息と気管切開を回避して, QOLと予後を改善する. 認知障害を合併しやすいDMDにおいて, 睡眠呼吸障害に伴う睡眠の質の低下が, 認知障害の悪化に関係する可能性がある. NPPVにより睡眠の質を改善することにより, 認知障害にも変化をもたらすことができるのかの検討が期待されている. 本邦において, NPPVと咳介助と心保護治療により, DMDの50%生存年齢は39.6歳と報告されたが, 全米の筋ジス専門クリニックにおけるDMDの生命予後の差を是正することが課題とされている. 国際ガイドラインに基づくNPPVや咳介助の医療環境整備が早急に求められる.
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© 2014 一般社団法人日本小児神経学会
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