小児期の難治性てんかんの原因は遺伝要因が多い. 当初は予後良好な家族例の解析によってCHRNA4, KCNQ2, SCN1A, SCN2Aなどが同定され, チャネル病として理解された後, 年齢依存性てんかん性脳症の原因遺伝子として, ARX, CDKL5, STXBP1など非チャネル遺伝子が同定された. 最近では大田原症候群でもチャネル異常 (KCNQ2, SCN2A) が同定され, 両者の境界は現在あいまいである. 発達期の脳は, 脆弱性が高い一方可塑性も高く, 分子病態に応じた治療が発症早期に行われれば, 発作予後だけでなく脳機能全般の改善も期待しうることを示唆する.