2014 年 46 巻 5 号 p. 359-362
注意欠陥/多動性障害 (attention-deficit/hyperactivity disorder ; AD/HD) を合併した前頭葉巨大脳動静脈奇形 (arteriovenous malformation ; AVM) の1例を経験した. 3歳でけいれんを契機に診断しえたが, それ以前から多動があった. Spetzler-Martin分類のGrade IVであったため, AVMに対し保存的経過観察をした. 1年6カ月後に静脈瘤を形成したため, AVM全摘出術を行った. AD/HD発症の原因は, AVMによる物理的な周囲脳組織の圧排や盗血現象による慢性虚血により前頭前野を傷害されたと考えられた. 器質性疾患によるAD/HDの報告は稀だが, 原因疾患の検索は重要である.